話すことについて
ネットとリアル
月に1回、WRAP(Wellness Recovery Action Plan)のミーティングに参加しています。
WRAPとは日本語で元気回復行動プランと言って、元気のための自らの取扱説明書をつくるといったものです。
私はWRAPのファシリテーター資格を持っていますが、最近は体調が悪いのでファシリテーターではなく参加者として加わっています。
WRAPについてはまた後日書くとして、今回は話をすることについて書きたいと思います。
私は引きこもり生活で1日ほぼ話をすることが無く、また人と会っても親しくない人にはあまり自分から話しかけることをしません。
「空気で分かってよ」という典型的日本人と言えるかも知れません。
しかし、そのせいか誤解を受けることも多いです。
また「言わなくてもわかるでしょう」というのは、国際的には通用しません。
私の場合、特にネット上の人格とリアルの人格のギャップが違いすぎるという意見が多いです。
ネット上の人格こそ本当の私なのですが、それはリアルでは伝わりません。
リアルでは、やはり話す技術というものが必要となります。
人を動かす『超』話し方トレーニング
苫米地英人著「人を動かす『超』話し方トレーニング」を読了しました。
論理的話し方
この本では話し方を、「論理的話し方」と「情動的話し方」の2つに分けて紹介しています。
「論理的話し方」では三段論法を止めて、ディベートの技術であるトゥールミンロジックを使うことを推奨しています。
三段論法は「AならばBである。BならばCである。ゆえにAならばCである。」というのが典型的なものです。
三段論法は、「AならばBである」または「BならばCである」という部分に反例の可能性があると、「AならばCである」ということが成り立たなくなります。
つまり、現実世界では成り立たない、机上の空論となります。
トゥールミンロジックは、1960年代イギリスの分析哲学者スティーブン・トゥールミンによって提唱された論理構築法です。
トゥールミンロジックの基本は、「データ」「ワラント」「クレーム」という3つの要素から成り立っています。
「データ」とは、「主張する内容を裏付ける事実」を指します。
「ワラント」とは、「提示したデータがなぜ主張する内容を裏付けることになるのかという論拠」を言います。
「クレーム」とは文句を言うことではなく、「その場面で主張する内容のこと」です。
何らかの主張(クレーム)をする場合、その主張が正しいと言える証拠(データ)と、なぜそれが証拠となりうるかという説明(ワラント)が必要になるというのが、論理の大前提となります。
物事を主張するには、それを裏付ける「事実」と「論拠」が必要ということです。
さらにトゥールミンロジックでは、「B(バッキング)・Q(クォリファイアー)・R(リザベーション)論理」という3つの要素で論理的話し方を強化するのですが、結構難しいのでここでは説明しません。
私には少し難しい内容でした。
興味のある方は是非、本の方を参照してください。
さらにクレームに反論するための論理まで書かれています。
すべてが成り立った論理を「プリマファシエ」と言い、完璧に構築された論理となるそうです。
国際社会やビジネスの場面、議論の場面では、論理的話し方をすべきだと言えます。
これからの日本を考える上で、幼い頃から学校教育に取り入れるべき理論だと言えるでしょう。
情動的話し方
一方の「情動的話し方」について説明します。
情動的話し方で大事なことは、話し方の技術でなく、「話をする状況」ということです。
つまり、話す状況、話の場を支配できるかどうかが、話がうまく相手の心に伝わるかどうかのカギとなります。
情動的話し方では、「どんな状況をどのように作るか」が最大のポイントということになります。
「あなたが、相手のゴールに合致した話をすることを相手に認識させる」ことで、相手はあなたを好意的に聞いてくれて、受け入れてくれます。
「話をするときには、目的=ゴールを持つことが大事」です。
「何のためにその相手と話をするのか」ということです。
ゴールがなければ、目的が達成できる話し方はできません。
相手のゴールと自分のゴールの共通点さえ見つけ出せれば、あとはその話を徹底的にするだけです。
その状況を作る前提条件として、「相手にとってあなたの重要度(存在感)が高くなければならない」ということがあります。
また、「話す状況」を共有するとお互いの親近感を生み出します。
心理学用語でいう「ラポール」が生み出されます。
「話す状況」の支配者に対しては、より強いラポール、「ハイパーラポール」が生まれます。
より強い親近感が生まれるということです。
さらに、話をするとき重要なのが「相手の目線になる」ということです。
相手と同化することで、ラポールの度合いが増します。
強い臨場感を共有し、その臨場感空間の支配者になれば、ハイパーラポールが生まれます。
最も手っ取り早いのが「恐怖」の感情を共有し、その臨場感空間を支配することです。
ここまでは「話す状況」でしたが、ここからは「話す内容」です。
1.自分を見つめ直して、自分の世界観を知る
2.その世界観を他人が聞きたいと思うレベルにまで昇華させる
3.昇華させた世界観に対する相手の臨場感を高める
4.世界観を言語化して話す
自分の世界観を知るには、仏教の「止観」が有効です。
その世界観を「できるだけシンプルな用語」で表現します。
そうすると臨場感はグッと上がります。
最後はどんな話題となろうとも、「世界観を表すシンプルな一言」につなげてしまえばいいでしょう。
あなたの人生そのものが話の準備となります。
自分の人生を徹底的に見つめ直すことで、話す内容は強化されます。
「論理的話し方」と「情動的話し方」はごちゃごちゃにせず、両方をうまく使い分けて話し上手になりましょう。
以上が本のざっくりした内容です。
論理的話し方は重要ですが、詳細に入ると少し分かりにくいところがありました。
「主張するには、事実と論拠が必要だ」というポイントを押さえておけば良いかと思いました。
情動的話し方については、「話す状況」を作り、支配し、世界観を話すということがわかりました。
まとめ
私の場合は、特に話し相手が必要です。
今後、日常的に話をする状況が作れれば良いかなと思っています。
YouTuberの皆さんにも、参考になる内容ではないでしょうか。
私も含め、「将来的にYouTuberになれればいいな」という皆さんも是非本を読んでみてください。