『頭のゴミ』を捨てれば、脳は一瞬で目覚める!#3
苫米地英人著「『頭のゴミ』を捨てれば、脳は一瞬で目覚める!」についての第3回です。
過去のものをまだ読んでいない方はこちらからどうぞ。
「『頭のゴミ』を捨てれば、脳は一瞬で目覚める!」について #1
「『頭のゴミ』を捨てれば、脳は一瞬で目覚める!」について #2
Step.3「変わりたいけど変われない……『これまでの自分』というゴミを捨てる」
Step.3-1 「仮想の自分」と「過去の自分」を捨てる
過去に戻って選択をやり直したり、失敗を取り消したりすることは不可能である
「こうしていれば、こうなっているはずの自分」という「仮想の自分」も頭のゴミの発生源である
過去を悔やむ人は過去の延長線上で未来の自分を考える
Step.3-2 世界は過去の記憶で成り立っている
過去ベースで物事を見てしまうのは、マインドの持ち方だけでなく脳そのものの機能にも要因がある
私たちが今見ている世界は過去の記憶により成り立っていて、脳は巧妙に手抜きをして実際は見てもいないのに見た気にさせている
Step.3-3 脳は巧妙に情報を選別する
RAS(網様体賦活系)のカラクリも脳の手抜きの一つである
RASは脳幹の基底部にあるフィルターシステムのことで、重要だと思った以外の情報を遮断している
私たちはRASにより選別された情報だけで作られた世界で生きている
Step.3-4 現状維持の罠
個人によって気になるもの、気がつくものが異なるのはRASの働きによるものである
何を基準に重要かどうかを判断するのは「これまでの自分」であり、それに対して関係のある情報だけをRASは取り込む
脳は昨日まで重要だと判断していたものを、今日も重要だと判断する
安定した状態を保つために現状を維持しようとする機能を、ホメオスタシス(恒常性維持機能)と呼ぶ
問題なのはこれまでどおりの現状を維持するホメオスタシスの強い力が働いて、現状から抜け出そうとしても抜け出せないことである
Step.3-5 「これまでの自分」を丸ごと捨てる
刷り込まれたモノサシのゴミでいっぱいの「これまでの自分」を一度ゼロにする
そして、自分が本当に望むものを自分のモノサシで選びなおす
それが「自分を変える」ということである
後悔のない人生を歩みたいなら「これまでの自分」を丸ごと捨てる覚悟が必要である
Step.3-6 未来が過去をつくる
一般的に「時間は過去から現在、未来へと流れている」と考えられている
この時間観も古典的な西洋のモノサシにすぎない
アビダルマ仏教哲学では「時間は未来から現在、過去へと向かって流れている」とされている
過去は未来となんの関係もなく、過去は未来になんの影響も与えていないケースはままある
過去が未来をつくるのではなく「未来が過去をつくる」のであり、未来によって過去がかわるということを私たちは日常的に体験している
Step.3-7 未来が最高なら、過去も現在も最高
「未来が過去をつくる」のは、他人のことでも同じである
「よい未来」から逆算してみれば、どんな現在も過去も「よい未来」をつくるのに必要な出来事である
「時間は未来から過去に向かって流れている」
「過去は未来の自分に影響を与えない」
「未来が過去をつくる」
「未来が最高だと確信すれば、過去も現在も最高である」
この原則を自分のものとすれば、過去にも現在にもとらわれず、望む未来をつくることができる
Step.3-8 「ラクでいたい」と「変わりたい」の狭間で
映画などの情報空間でもホメオスタシスは働く
私たちは意識せずに「自分がラクでいられる範囲」にとどまっている
「ラクでいられる範囲」をコンフォート・ゾーンという
人が変わろうと思っていても変われないのは強固なコンフォート・ゾーンとホメオスタシスが原因である
Step.3-9 「自分」は書き換え可能な「情報状態」
ホメオスタシスのフィードバックが後ろ向きか、前向きかで、思考と行動は大きく変わる
フィードバックをよい方向に転換すれば「自分を変える」ことができる
過去の自分に関係なく、未来の自分を思いのままにつくることはできる
過去ベースの考え方を捨て未来ベースの考え方に切り替えて、自分の未来は最高であると確信して生きている人は、過去の自分も今の自分も、最高の自分になる
Step.3のポイント
・目の前の世界は、昨日までの自分が重要だと判断した情報だけで成り立っている
・変われないのは、コンフォート・ゾーンにとどまるようにホメオスタシスが働くからだ
・ホメオスタシスに意識的に介入し、フィードバックの向きを変えれば、誰でも変わることができる
・時間は未来から過去へと流れている
・「これまでの自分」を捨て、「なりたい自分」に変わることができる
以上がStep.3の内容となります。
具定例を省いていますので、少し分かりにくいところがあるかもしれません。
未来ベースでものを考えることと、過去に執着したりとらわれたりしないことが重要だと分かりました。
「時間が未来から過去へと流れる」というのは、未来ベースで自分をイメージするのに最適な考え方だと思います。
次回はStep.4です。