この記事は、2021年3月17日に更新しています。
量子コンピューターは従来のコンピューターが0か1かどちらかの値をとるのに対して、0と1を任意に組み合わせた状態を同時にとることが出来ることから、処理能力が飛躍的に向上したコンピューターです。
言うなれば、仏道の空と同じような概念があるように思われます。
マシンの状態を絶対零度に保たなければならない、誤り率が高い可能性があるなどの問題があり実用化にはまだ時間がかかりそうですが、量子コンピューターの出現により従来の暗号化技術が破られる可能性が出て来ました。
ウェブで個人情報やクレジットカード番号の入力をする際に用いられる、URLが「https」で始まるSSLプロトコルで使用される公開鍵暗号RSAは、桁の多い数の素因数分解を解くことが困難なことを安全性の根拠としていますが、量子コンピューターが実現すればこの素因数分解を解いてしまう可能性があるのです。
よって、暗号化には数学的により解読の難易度の高い格子問題を取り入れようとしています。
ベクトルの本数(次元)を4桁に増やすことにより、解くことはかなり困難となります。
2020年1月、東芝が量子暗号技術の事業展開をするとの報道がありました。
IBMやグーグル、インテルなどが実用化に向けて巨額の投資をして研究開発にしのぎを削っています。
中国もアメリカを超える研究開発を行っていると聞きました。
日本の富岳の活躍を期待しています。
量子コンピューターとAIが組み合わさった時、とてつもない変革の時が訪れるはずです。
しかし、そこにはセキュリティと個人認証の問題を解かなければなりません。
デジタル・フォレンジックや虹彩、そして意識の解明とアイデンティティの識別問題。
問題解決までかなりの時間を要するでしょうが、状況を注視していこうと思います。
【 2021.3.17加筆訂正 】